タクシーで見かけるSOS表示ってなんだろう?
SOS表示を見かけたらどうすればいいのかな?
その他の表示灯の種類が知りたい!
ご紹介するタクシー「SOS表示」を見かけたらすべきことを読むと、スムーズに安全に対応できます!
まずは「SOS表示」の概要を解説しておりますので、ぜひ読み進めてみてください。
目次
タクシー「SOS表示」とは?

タクシーの「SOS表示」は、乗務員が強盗などの緊急事態に遭遇した際に、周囲に助けを求めるために使用するものです。
現在のタクシーサインはLED式が主流となっております。
タクシー事業者それぞれに応じた表示のカスタマイズが可能です。
地域によっては幕式タイプも使用されています。
タクシー「SOS表示」を見かけたらすべきこと
SOS表示を見かけたら、110番通報をするなど、速やかに警察への連絡をお願いします。
乗務員が危険な状況にある可能性が高いので、むやみに近づいたり、直接声をかけたりする事は避けてください。
タクシーの乗車内の方に気付かれないように電話をかけるのがポイントです。
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タクシーSOSボタンはどこにあるの?

SOS表示は、保安上の関係でスイッチの場所は伝えられません。
タクシー会社によってボタンの位置は異なるかと思われます。
緊急時にタクシードライバーがスムーズに押せるように設定されています。
いかに自然にスイッチを押せるかがその後の動きに大切になってきます。
タクシーの非常灯が点滅したらどうなるの?

タクシードライバーがSOSボタンを押したら、会社に自動的に連絡が入ります。
車によってはSOSボタンを押したら強盗に煙を拭かせる「スモーク装置」もあります。
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タクシー「SOS表示」以外の表示灯

SOS表示以外の表示灯の種類は以下のとおりです。
- 空車
- 回送
- 割増
- 無表示
- 迎車
- 貸切
- 予約
- 支払い
順番に解説します。
空車
空車とは、文字通り、お客様が乗っていない状態のことです。街中でタクシーを見つけ、手を挙げれば停まってくれます。
タクシーに乗りたい時は、「空車」表示を確認して手を挙げるのが一般的です。乗客がいるかどうかを、わざわざ確認する必要はありません。
回送
タクシードライバーが営業を終え、会社や営業所に戻る際は「回送」表示にします。
車両のトラブル発生時や、ドライバーの休憩時にも「回送」と表示することがあります。
割増
「割増」は、早朝や深夜などの時間帯に、割増運賃で営業していることを示す表示です。
通常、タクシーを手を挙げて停めることができるのは、「空車」または「割増」表示のときです。
割増運賃になる時間帯は地域によって異なりますが、一般的には22時から翌朝5時までです。 割増料金は、通常の運賃(例えば2kmで700円程度)が、約1.6kmで700円程度になるイメージです。つまり、同じ料金で乗車できる距離が短くなります。
無表示
タクシーは、お客様が乗車すると「実車」という状態になります。
現在、主流のLED表示では、実車の時はスーパーサインが無表示になります。
この時に料金が発生し、車内メーターには「賃走」または「実車」と表示されます。
迎車
迎車とは、お客様をお迎えに上がるタクシーのことです。
無線配車や配車アプリで依頼を受けると、「迎車」表示でお客様のもとへ向かいます。その際、通常の初乗り料金に加えて迎車料金がかかります。
迎車表示の際は、走行中に手を挙げられても乗車させることはできません。
貸切
貸切表示は、時間単位または1日単位で貸し切り中であることを意味します。
貸切の場合、運賃は走行距離ではなく、利用時間によって決まります。
この表示は、主に観光タクシーや冠婚葬祭などで利用されることが多いです。
予約
予約配車は、事前に予約されたお客様をお迎えに行く際に表示されます。
代表的なのは、羽田空港や成田空港などへの送迎予約です。 日時指定があるため、予約料金(時間指定配車料金など)が発生します。
支払い
支払い表示は、お客様が目的地に到着し、降車する際に表示されます。
これは、タクシードライバーがメーターの「支払」ボタンを押すことで表示されます。 (※メーターの操作方法や表現は会社によって異なる場合があります。)
支払表示中は停車中であり、お客様が新たに乗車することはありません。
しかし、間もなく支払いが終わって空車になるため、近くのお客様が乗車する可能性はあります。
タクシー業界の豆知識【業界用語】

タクシー業界でよく使われる業界用語は以下のとおりです。
- 白タク
- ロング
- 入れ食い
- 回送
- 偽装回送
- お化け
- ゾンビ
順番に解説します。
白タク
白タクとは「白タクシー」の略で、タクシー営業に必要な許可を得ずに、自家用車でタクシーのような営業をしている違法行為のことです。
送迎をして、その対価としてお金を受け取る行為が、事業として行われている状態を指します。
このような行為を繰り返すと、罰せられる可能性があります。
ロング
お化けは、ロング(長距離利用)と似ていますが、意外な場所や時間帯から長距離を利用するお客様を指します。
使用例:「早朝、中野駅でお客様を降ろして環七へ向かおうとしたら、お客様が乗ってきて『熱海まで』と言われて驚いたよ」
入れ食い
入れ食いとは、急な天候の変化や、電車など公共交通機関のトラブルで、タクシーの利用者が急増することを指します。
その結果、次から次へとお客さまが乗車し、タクシーが忙しくなる状態です。
回送
回送は、タクシーが営業する意思がないことを示す表示です。
これは、鉄道やバスでも同様です。
タクシー運転手は、回送表示で、営業所へ戻る際、車両の修理、食事やトイレ休憩などの理由で走行します。
回送表示の際は、お客様が手を挙げてタクシーを止めようとしても乗車義務はなく、「乗車拒否」にはあたりません。
偽装回送
偽装回送とは、その名の通り、回送を偽って営業することです。
回送の必要がないのに回送表示にすることも、偽装回送にあたります。
運転手の中には、回送表示にして客待ちをし、近距離の客を断り、長距離客だけを乗せるなど、回送を悪用するケースがあります。
そのため、タクシー会社やタクシーセンターでは、偽装回送を厳しく取り締まっています。
お化け
お化けは、ロング(長距離利用)と似ていますが、意外な場所や時間帯から長距離を利用するお客様を指します。
使用例:「早朝、東京駅でお客様を降ろして八王子へ向かおうとしたら、お客様が乗ってきて『愛知まで』と言われて驚いたよ」
ゾンビ
連休前の深夜などは、タクシーを待つお客様があちこちで手を挙げていることがあります。
しかし、こちらも実車中であることが多く、お乗せしたくてもできません。 申し訳なく思いながら、通り過ぎます。
まとめ
タクシーの「SOS表示」は、乗務員が強盗などの緊急事態に遭遇したとき、外に助けを求めるためのものです。
LED表示灯に「SOS」と表示され、周囲に危険を知らせます。
もしこの表示を見かけたら、乗務員に危害が及ばないよう、直接声をかけたりせず、速やかに110番通報をお願いします。皆さんのご協力が、タクシードライバーの安全を守ります。
