「タクシー運転手の適性診断って何をするの?」
「合否があるって聞いたけど本当?」
本記事でわかること
- タクシー運転手が受ける適性診断の目的と仕組み
- 初任、一般、適齢など、診断の種類と対象者の違い
- 予約から結果の見方までの流れと当日の準備
タクシー業界の適性診断は、合否を決める試験ではなく、安全運転を維持するための自己分析に近い仕組みです。内容を理解して受ければ、本来の力を発揮できるだけでなく、今後の運転への自信にもつながります。
本記事を読むことで、適性診断の目的、流れ、コツがすべてわかり、安心して受検できるようになります。
さっそく、タクシー運転手の適性診断について一緒に見ていきましょう。
適性診断とは何か?
タクシー運転手の適性診断とは、安全運転に関する注意力、判断力、反応速度などを確認する検査です。事故の予防と運転者の自己理解を目的とし、NASVA(ナスバ)が全国で実施しています。
また、合否をつける試験ではなく、運転傾向を見える化する評価型テストです。
適性診断の目的は「安全運転」と「事故防止」
適性診断の最も大きな目的は、事故を起こさないための自己理解を深めることです。
交通事故の原因の多くは、居眠りや不注意など運転者自身の傾向にあるでしょう。そのため、診断では、注意をどこに配るか、どのくらいの速さで反応できるかなどを測定し、潜在的なリスクを洗い出します。
例えば、反応速度が遅い傾向があれば、信号変化への対応や、急な割り込みへの対策を意識するよう助言されます。
結果を踏まえて研修や講習を受けることで、事故の芽を摘む予防的な効果が得られるのです。
適性診断は、技術を測るテストではなく、安全運転を支える鏡のような存在です。
合否はなく、改善ポイントを可視化する評価型テスト
適性診断は、落とす試験ではなく、伸ばすための診断です。
結果は、5段階やグラフ形式で示され、集中力、判断力、感情の安定などが項目ごとに評価されます。
例えば、注意配分は良好だが、感情面での焦りが見られるといったように、強みと課題が具体的に分かるレポートになっています。
上記の結果は、あなたが不合格という意味ではなく、今後の安全運転で意識したい点のガイドです。
事業者側も評価をもとに研修内容を調整し、ドライバー全体の安全意識を底上げしています。つまり、適性診断は、評価を受けて終わりではなく、成長のきっかけを作るツールです。
NASVA(ナスバ:自動車事故対策機構)の役割と実施背景
NASVAは、国交省のもとで交通安全を支える公的機関です。2003年の設立以降、運輸業界の事故削減を目的に設立され、ドライバー教育や被害者支援などを包括的に行っています。
主な役割は次の通りです。
- 運転者適性診断の実施、分析
- 安全運転講習や研修の実施
- 交通事故被害者への支援
- 自動車安全に関するデータ提供
背景として、物流、旅客業界の高齢化と長時間労働が進み、事故リスクが上昇していることがあります。
特にタクシー業界では、人の命を預かる職業であるため、NASVAによる診断が安全運行を担保する制度的支えとなっています。
参考文献:ナスバについて|国土交通省
タクシー業界で適性診断が義務化されている理由
タクシー業界では、安全運転が法律で義務づけられているため、適性診断が必要です。運転ミスや注意不足による事故を防ぐには、技術よりも心理面の安定が欠かせません。
診断の種類は次の通りです。
- 初任診断:新しく乗務を始める際
- 一般診断:誰でも受けられ、定期受診が推奨される(事業者判断で活用)
- 適齢診断:高齢ドライバーが対象
上記の仕組みにより、会社も個人も運転傾向を継続的に把握できるでしょう。
制度全体としては、事業者の安全管理体制を強化し、利用者が安心して乗車できる環境を守る役割を果たしています。
参考文献:事業用自動車の安全対策|国土交通省
診断の種類と対象者を整理
タクシー業界でよく話題になる基本区分は下記の4種類です。
- 初任診断
- 一般診断
- 適齢診断
- 特定診断Ⅰ、Ⅱ
対象者や目的が異なるため、自分に該当する診断を確認して受けましょう。
初任診断|新たに乗務に就くドライバーが対象
初任診断は、これからタクシー業務に就く人が最初に受ける検査です。安全運転の基礎力を確認し、運転傾向を把握するために実施されます。
| 項目 | 内容 |
| 対象者 | 新たにタクシー、バス、トラックなど、事業用車両の運転を始める人 |
| 目的 | 安全運転の基礎力を確認し、事故リスクを減らす |
| 検査内容 | 反応速度、判断力、注意の配分、感情の安定度など |
| 実施時期 | 乗務開始前 (やむを得ない場合は開始後1か月以内など例外あり) |
| 費用の目安 | 4,800円 |
結果を通じて自分の強みや注意点を理解し、入社後の安全教育にも活かせるでしょう。会社によっては、入社時に一括で受検を手配してくれる場合もあります。
一般診断|誰でも受けられる安全運転チェック
一般診断は、すでに乗務している人が自分の運転傾向を確認するために受ける検査です。事業用ドライバー以外でも希望すれば受けられます。
| 項目 | 内容 |
| 対象者 | 現在乗務しているドライバー(事業、自家用問わず) |
| 目的 | 運転習慣や注意傾向を定期的に見直す |
| 検査内容 | 危険予測、反応判断テスト、運転態度評価など |
| 実施時期 | 定期的に推奨(少なくとも2年以内に1度の受診を推奨) |
| 費用目安 | 2,400円 |
診断を受けることで、自分の運転傾向を客観的に把握できるでしょう。企業では、結果をもとに、安全ミーティングや教育プランに反映することもあります。
適齢診断|65歳以上の高齢運転者が対象
適齢診断は、高齢の運転者が安全運転を続けられるように支援する目的で実施されます。判断力や注意力の変化を確認する検査です。
| 項目 | 内容 |
| 対象者 | 65歳以上の現役ドライバー |
| 目的 | 高齢に伴う判断力、注意力の変化を確認する |
| 検査内容 | 動体視力、反応テスト、心理評価、運転姿勢確認など |
| 実施時期 | 以下をご覧ください。 独立行政法人|自動車事故対策機構 |
| 費用目安 | 4,800円 |
上記の診断は、運転を続けられるかを判断するためではなく、安全意識を高めるサポートの一環です。
結果をもとに、無理のない働き方や運転時間の調整を検討するきっかけにもなります。
特定診断Ⅰ、Ⅱ|事故や違反を起こした人向け
特定診断は、事故や違反を起こしたドライバーが再発防止のために受ける再教育型の診断です。心理的な側面や運転態度を深く分析します。
| 項目 | 内容 |
| 対象者 | 事故や違反を起こしたドライバー |
| 種別 | 特定診断Ⅰ(軽度)、特定診断Ⅱ(重大事故、再発) |
| 目的 | 原因を分析し、安全意識を再教育する |
| 検査内容 | 注意力、判断力、感情制御、心理カウンセリングなど |
| 実施時期 | 指定された期間内 |
| 費用目安 |
特定診断Ⅰ:9,300円 特定診断Ⅱ:29,900円 |
特定診断では、単に結果を示すだけでなく、カウンセリングや講習を通して再発防止の意識を高めます。事故の背景を客観的に振り返ることで、安全運転への意識を取り戻せるでしょう。
参考文献:手数料改定のお知らせ(2019年10月1日実施)|NASVA(自動車事故対策機構)
適性診断の受け方
適性診断の受け方は、予約、受診、結果確認の3ステップで進みます。NASVAの公式サイトから簡単に予約でき、検査当日は持ち物や服装にも注意が必要です。結果は、後日郵送または事業者経由で確認します。
予約方法と料金の目安
適性診断の予約は、NASVA(自動車事故対策機構)の公式サイト、または電話窓口で受け付けています。
公式サイトから希望する会場、日時を選び、氏名、生年月日、所属事業者などを入力しましょう。会場は、全国に設置されており、東京、大阪、福岡、青森など主要都市に拠点があります。
また、年度末や入社シーズンは予約が混雑するので、余裕をもって2〜3週間前には予約しておきましょう。会社指定の予約方法がある場合は、事前に確認しておくと安心です。
検査内容の流れ
検査は会場で受付を済ませた後、順番に進んでいきます。おおよそ1時間〜1時間半ほどで終了します。
検査の流れは次の通りです。
- 受付、本人確認(予約票、免許証、受検票を提示)
- 適性検査(PCやシミュレーター使用)
- 質問票、心理テスト(運転態度やストレス傾向を確認)
- 終了、結果送付案内
検査は機械操作に慣れていなくても対応できる内容です。落ち着いて受けることで、普段の運転傾向を正しく評価できます。
結果の見方と再受診のタイミング
診断結果は、合否ではなく、注意力、判断力、感情安定性などを5段階評価で示します。評価シートには、強み、改善点、今後の注意点が記載され、個人の運転傾向を把握できます。
再受診は、勤務先やNASVAが指定するタイミングで受けるのが一般的です。初任から数年経過した場合や、事故、違反を起こした後に特定診断を受けるケースもあります。
結果を放置せず、弱点を意識した安全運転を続けましょう。
適性診断の当日の準備
適性診断の当日は、時間に余裕を持って会場へ向かうことが基本です。受付では免許証や受検票の確認があるため、忘れ物を防ぐ準備が必要です。
服装は、シンプルで動きやすい格好を意識し、視力検査に支障が出ないように眼鏡やコンタクトを着用しておきましょう。
また、筆記用具を持参すると問診票の記入がスムーズです。飲酒、寝不足の状態では正確な結果が出にくくなるため、前日は十分な休養を取り、当日は、落ち着いた状態で受検するのが理想です。
よくある疑問と対策のコツ
適性診断を受ける前後では、「評価が悪いと不合格になるの?」「高齢者や個人タクシーの場合はどうすれば?」といった不安を持つ人が多いです。
正しい知識を持つことで、落ち着いて受けられます。以下では、よくある疑問とその対策を整理します。
「評価が低かったら落ちるの?」への正しい理解
適性診断は、合否を決める試験ではありません。あくまで自分の運転傾向を知り、安全運転に役立てるための評価型テストです。
評価が低くても、すぐに不採用や免許取消になるわけではなく、改善のきっかけとして扱われます。
<評価結果の活かし方の例>
| 評価項目 | 傾向 | 改善、活用のポイント |
| 集中力 | 低い傾向がある | 休憩の取り方や睡眠習慣を見直し、長時間運転時の集中力を維持する |
| 判断力 | 遅れがち | 運転前に時間的余裕を持ち、焦らず行動できる環境を整える |
つまり、診断は自分を客観的に見直すための機会です。結果を恐れず、今後の安全運転に生かしていきましょう。
高齢者・個人タクシー志望者が押さえるべき注意点
高齢者向けの適齢診断や、個人タクシー志望者の受検では、通常よりも評価内容が細かく設定されています。
高齢者の場合は、判断力や動体視力など加齢による変化を確認する検査が中心です。体調が悪い日は避け、睡眠を十分に取って受検しましょう。
個人タクシー志望者は、診断結果が申請書類に必要になる場合があります。結果の封印扱いもあるため、提出形式を事前に確認してください。
どちらのケースも、焦らず正確に対応することでスムーズに次のステップへ進めます。
適性診断後にすべき行動
診断を受けた後は、結果を活用することが大切です。まずは、自分の評価を見直し、注意点を把握しましょう。
再受検が必要なケースは、会社の安全基準や事故歴によって異なります。特定診断Ⅰ、Ⅱの対象になった場合は、指定された期間内で受け直す必要があります。
また、入社手続きや更新時には会社へ結果提出を求められることもあるはずです。封印されている場合は、所定の方法で事業者が開封します。
結果を参考に、弱点を改善しながら安全意識を維持していきましょう。
まとめ|適性診断を日常の安全運転につなげよう
最後に、タクシーの適性診断をまとめます。
- 適性診断は合否ではなく、運転傾向を見える化する評価型テスト
- NASVAが全国で実施し、安全運転と事故防止を支える制度
- 診断は、初任、一般、適齢/特定Ⅰ、Ⅱの4区分で対象が異なる
- 予約、受診、結果活用の3ステップで、持ち物と服装に注意
- 結果は強みと改善点を示し、再受検や研修で弱点を補強
最寄りの会場で空き枠を確認し、予約手順に沿って受検の準備を進めましょう。診断後は、結果票を会社へ提出する前に自分のノートへ写し取り、注意点を日々の運転チェックに活かすことが大切です。
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