「タクシーの燃料ってなんだろう」
「なんでタクシーってLPガスを使うのかな?」
本記事では、タクシーの燃料にLPガスを使う理由と併せて、LPガスのメリットデメリットを解説します。
最後まで読むと、タクシーの燃料にLPガスを使う理由がわかります。
目次
【タクシー】自動車の燃料はガソリン以外もある

ガソリンスタンドを訪れると、さまざまな種類の燃料が並んでいます。
通常、自動車はガソリン、ディーゼル、LPガスのいずれかを燃料として利用します。
電気自動車を除くと、多くの自家用車のドライバーは、レギュラーまたはハイオクのガソリンを選びます。
一方、ディーゼルエンジンを搭載した車では、専用の軽油が必要です。ディーゼルは一部の自家用車にも採用されていますが、特に大型のトラックなどではこの軽油を主な燃料としています。
燃料の選択ミスは車のトラブルの原因となるため、ドライバーは常に注意を払っています。
それに対して、タクシー業界ではLPガスが主流の燃料として利用されています。LPガス、すなわち液化石油ガスは、日本のタクシーの大半、実に9割以上が使用している燃料とされています。
タクシーの燃料にLPガスを使う理由

タクシーがLPガスを燃料として選択する背後の主な動機は、以下の4つの理由に集約されます。
1つ目の理由は、LPガスの経済的な魅力です。ガソリンには独自の税金が課されるのに対して、LPガスはそれが免除されています。この差が、LPガスを低コストで提供する大きな要因となっています。
2つ目のポイントは、LPガスの環境への優しさです。多くの人々が排気ガスを黒く、環境を汚染するものと捉えていますが、LPガスはそのような黒い排気を放出しないため、環境負荷が低いと考えられます。
3つ目は、LPガスの使用により、エンジンオイルがより長く清潔な状態を保つという特徴があります。
4つ目として、LPガスは特定の用途に特化しているため、盗難のリスクが低くなります。具体的には、一般的な自動車でLPガスを利用することが難しいため、不正な取得の動機が低くなるのです。
一般的な車がLPガスを使わない理由とは

LPガスは確かに一定のメリットを持つ燃料ですが、タクシー以外の車両での普及が限定的な背後には幾つかの問題点が存在します。
以下に、その主な4つの理由を再構築します。
1. まず、燃費に関してです。軽自動車やハイブリッド車と比べると、LPガス車の燃費は劣る傾向にあります。リッターあたり10キロ程度の燃費となるため、燃費重視の軽自動車等と比較すると、やや見劣りしてしまいます。
2. 次に、出力についての懸念があります。LPガス車はエンジンのパワーがやや控えめになるため、特に高速や坂道などでの加速が求められる場面では力不足を感じることがありますが、日常の走行には十分な性能を持っています。
3. 加えて、LPガスの供給インフラの問題が挙げられます。LPガスの充填スタンドは限られており、利便性がガソリンやディーゼルと比べて劣ることが普及の足かせとなっています。
4. 最後に、LPガス車のガスタンクには定期的な点検やメンテナンスが必要となり、これに伴うコストが比較的高いという問題もあります。
【タクシー燃料】LPガスの5つのメリット

LPガスのメリットは以下のとおりです。
- 燃料代が安い
- 環境に優しい
- 振動が少ない
- エンジンオイルが汚れにくい
- 盗難されにくい
燃料代が安い
まず、LPガスの燃料代は比較的低価格であることが魅力的です。
市場の動向によりますが、多くの場合、レギュラーガソリンの価格の60~70%程度で購入することができます。
ガソリンにはさまざまな税金がかかるのに対し、LPガスはそのような追加の税金が課されていません。
家庭用としても使われるLPガスを車の動力として使うことの利点は、そのコスト効果にあります。
環境に優しい
環境への優しさも大きな強みとして挙げられます。
絶えず街を走るタクシーにとって、環境影響を最小限に抑えることは非常に意義深いです。
たとえば、コスト効果の高いディーゼルと比較しても、LPガスはNOxやPMなどの有害な排出物質をほとんど出さないという特長があります。
振動が少ない
LPガス車は一般にパワーがやや控えめであるとされますが、日常の走行において問題となるほどの非力さではありません。
実際、振動が少なく、滑らかなドライブを楽しむことができます。
この騒音や振動の軽減は、タクシーのお客様や道端の住民からも高く評価される点でしょう。
エンジンオイルが汚れにくい
燃焼時に煤や不純物が少ないため、エンジンオイルの汚れが蓄積しにくいのが特長です。
エンジンオイルの寿命を延ばすことは、環境保護にも寄与します。
さらに、オイル交換のコストや時間を節約できるので、タクシー事業者にとっても大きなメリットとなります。
盗難されにくい
車両の盗難リスクを軽減します。
通常、LPガスの給油は特定の設備が必要であり、盗難した後に持続的に使用するのは困難な状況となります。
【タクシー燃料】LPガスの3つのデメリット

LPガスの3つのデメリットは以下のとおりです。
- 維持が大変
- 燃料タンクが大きい
- LPガススタンドが少ない
維持が大変
LPG車は、法律により燃料タンクの定期検査を6年ごとに受ける必要があります。この検査ではボンベとバルブの状態がチェックされ、合格しなければガスの給油が許可されません。もし不具合が見つかれば、部品の交換が必須となります。
このような定期検査のコストは、地域による差はありますが、平均的に50,000~70,000円程度とされ、さらに交換が必要になった場合には10万円以上の出費が予想されます。
このような追加のコストが発生することから、多くのユーザーがガソリン車を選ぶ傾向があり、LPG車の普及を妨げている要因となっています。
燃料タンクが大きい
LPGの燃料タンクの位置、知っていますか?実は、そのタンクは車のトランク部分に収められています。タクシーのトランクを覗けば、その大きなタンクが目に入るはずです。次回タクシーに乗る機会があれば、チェックしてみてください。
通常、ガソリンタンクは車の底部に組み込まれていますが、LPG車の場合はトランク内にタンクがあるため、特に軽自動車などの小さな車では、トランク容量が大幅に減少します。
このようなスペースの制約から、一般の乗用車としての採用が難しくなっているのです。
LPガススタンドが少ない
LPGの普及が進んでいない主な要因の一つは、供給インフラの不足です。全国で見ると、LPGステーションは1,500カ所以上存在しますが、この数は次第に減ってきています。
大都市圏では多くのタクシーがLPGを利用しているため、ステーションの存在は目立ちますが、地方エリアになるとその数はぐっと減少し、供給の心配を感じることもあります。
ガソリンスタンドがセルフサービス化や無人化の方向に進化しているのとは対照的に、LPGステーションは消防法の制約により、セルフや無人の運営が許されていません。
このような制約が、LPGの更なる普及を妨げている側面があります。
まとめ
本記事では、タクシーの燃料にLPガスを使う理由と併せて、LPガスのメリットデメリットを解説しました。
LPガスのメリットは以下のとおりです。
- 燃料代が安い
- 環境に優しい
- 振動が少ない
- エンジンオイルが汚れにくい
- 盗難されにくい
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