この記事ではタクシーの歴史について詳しく解説しています。
また、タクシーに使用される主な種類やタクシー運転手の隠語などあまり知られていないことまで解説しています。
目次
そもそもタクシーとは
タクシーは、バスや鉄道と同じく公共交通機関の1つです。
タクシーには、セダンやワゴン車などさまざまなタイプの車両があり、これらの定員10人以下の自動車を貸し切って乗客を運送するのがタクシーです。
タクシー事業は法律上、乗車定員11人未満の自動車を貸し切り、旅客を運行する「一般乗用旅客自動車運送事業」と定義されています。
似たような事業にバスがありますが、バスは一般乗合旅客自動車運送事業といい「乗合」の部分が異なります。
タクシーの種類
タクシーには以下の3つの種類があります。
法人タクシー
法人タクシーとは会社に所属して働くタクシードライバーのことです。
法人タクシーは、普通自動車第二種免許を持っていればドライバーとして働けます。
ただし、二種免許の受験資格は、第一種普通免許取得後に3年以上経過していることに加え、21歳以上であることが条件です。
学科試験と技能試験があり、安全な運転操作と法令順守が出来ている必要があります。
法人タクシーは、「〇〇タクシー」や「〇〇観光」などの名称で、多くのドライバーと許可を受けた複数の車両で営業するものです。
個人タクシー
個人タクシーとはドライバー自身が経営者になり、自身が用意して車両で営業するのが個人タクシーです。
個人タクシーのドライバーになるには、タクシーやハイヤーのドライバーとして10年以上のキャリアを積まなければなりません。
さらに、無事故無違反の年数などの条件をクリアし、法令・地理試験などを受けて合格する必要があります。
福祉タクシー

福祉タクシーとは身体が不自由な人の移動をサポートするためのタクシーのことです。
特徴としては、リフトの装置を備えている車両や、車椅子やストレッチャーごと乗り込める車両などが用意されていることです。
タクシー業界では、高齢者、障害者など手助けが必要な利用者の外出支援サービスを「福祉輸送サービス」「ケア輸送サービス」などとも呼んでいます。
タクシーの歴史
タクシーの歴史を下記の表で示します。
1912年(大正元年) | 東京・銀座の街に日本で初めてのタクシーが走る。 |
1927年(昭和2年) | 東京市内一円均一「円タク」が登場。 |
1938年(昭和13年) | 戦時体制によりガソリンが切符制になる。 |
1941年(昭和16年) | ハイタク、バスのガソリン使用が禁止され、木炭や薪を代用燃料として使用。 |
1946年(昭和21年) | 第二次世界大戦後の混乱期、わずか1565台でタクシー業務を再出発。 |
1958年(昭和33年) | 高度経済成長期のなか、神風タクシーや「白タク」の横行が国会で問題に。 |
1959年(昭和34年) | 東京で個人タクシー営業が許可され、初免許173人が誕生。以後、各都市に免許区域が拡大。 |
1970年(昭和45年) | タクシーのサービス向上を目的として、東京タクシー近代化センター(現:東京タクシーセンター)が設立。 |
1978年(昭和53年) | 東京で初の乗合タクシーが走る。 |
1980年(昭和55年) | 東京で小型タクシーが導入。 |
1987年(昭和62年) | 東京でブルーラインタクシーが誕生。888台がスタート、以後、福祉タクシー、ワゴンタクシーなど様々なタクシーが登場。 |
1993年(平成5年) | 運輸政策審議会が「今後のタクシー事業のあり方について」答申、以後、増減車の弾力化、運賃料金の多様化、事業区域の段階的拡大などが図られる。 |
1999年(平成11年) | 運輸政策審議会が「タクシーの活性化と発展を目指して」答申、需給調整規制の廃止、運賃の上限規制の導入などを提言。 |
2002年(平成14年) | 需給調整規制の廃止、運賃の上限規制の導入などを盛り込んだ改正道路運送法が施行。 |
2009年(平成21年) | 特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業における適正化及び活性化に関する特別措置法が施行。新規参入と増車を抑制。 |
2014年(平成26年) | 改正特措法が施行。新規参入・増車について特定地域では禁止。強制力のある供給削減措置。準特定地域では供給過剰とならないか基準を追加して許可制・認可制へ。下限割れには変更命令を行う公定幅運賃採用。 |
参考:http://www.kojin-taxi.or.jp/taxi/tanjyou.html
江戸時代のタクシーとして使われていた駕籠(かご)とは
駕籠(かご)とは、人を乗せて人力で運ぶ乗り物のことです。
人が座る部分を一本の棒に吊し、複数人で棒を前後から担いで運びます。
江戸時代まではよく使われていましたが明治に入ると道路の整備に伴い急速に人力車に取って変わられていき、明治5年(1872年)までには交通・運送手段としての役割を終えました。
参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/駕籠
タクシーの日の由来とは?

タクシーの日は8月5日です。
1984年、東京乗用旅客自動車組合によって制定されました。
由来としては、1912年(大正元年)8月5日に、日本ではじめてタクシー会社が営業を開始した出来事からきています。
現在の東京都有楽町にて、「タクシー自働車株式会社」の社名でT型フォード6台からスタートしたのがはじまりです。
「タクシーの日」である8月5日やその前後には、全国のタクシー会社がさまざまなイベントを開催しています。
タクシーや交通関連の広報PRだけでなく、見学や標語の募集といった企画にもつながります。
個人タクシーの歴史
個人タクシーは昭和34年に誕生しました。
昭和30年代、高度経済成長期に入るとタクシードライバーの多くが過酷なノルマを達成するため、荒い運転を繰り返したり、無許可の旅客運送行為「白タク」を行う者も現れ、輸送の安全が危ぶまれる事態になっていました。
このような背景に危機感を持った当時の運輸省(現:国土交通省)が問題解決に向け「タクシーの個人事業への道を開く」ことを決定し昭和34年12月、個人タクシーが正式に誕生しました。
個人タクシーのメリット
個人タクシーのメリットは主に以下の3つです。
- 営業収入が成果に反映される
- 休日・休暇が自由
- マイペースな営業ができる
フリーランスのような働き方ができることが大きな強みです。
タクシーに使用される主な車種

日本で使われる定番の車種を以下に示します。
- クラウンコンフォート(トヨタ)
- セドリック(日産)
- クルー(日産)
- プリウスα(トヨタ)
- ジャパンタクシー(トヨタ)
クラウンコンフォート(トヨタ)
タクシーといえばクラウンコンフォートといイメージがある人が多くいると思います。
クラウンコンフォートが多い理由は燃料にLPガスを使用しているからです。
LPガスはガソリンよりも3割程度安いのでガソリン代が浮きます。
また走行の安定性や、修理、メンテナンス面でも優れています。
クラウンコンフォートはトヨタの人気車種なので、取り扱いのある工場も多く、
もしもの時も安心です。
現在、クラウンコンフォートは、タクシー車両のシェア9割を誇っており、最も多く目にする車種です。
セドリック(日産)
セドリックもタクシーの定番車種として定着しています。
現在でもタクシーや営業車として活躍をしており、よく目にする車種です。日産好きの間では根強い人気があり、わざわざセドリックに乗る人もいるようです。
ちなみに2004年10月に生産終了しています。
クルー(日産)
クルーはタクシーで利用されることを前提に開発された車種で、1990年代半ばからタクシーやパトカー、教習車として活躍をしていました。
日産が生産していたセダンタイプの商用車です。
当時はトヨタのクラウンコンフォートと市場争いをしており、2010年代後半まではタクシーの定番車種として活躍していました。
しかし現在はあまり見かけなくなり、徐々に台数が少なくなってきています。
プリウスα(トヨタ)
タクシー業界では、トヨタのプリウスαに乗るドライバーが増えてきました。
理由は、エコカーへの注目が集まっているからです。
トヨタは2017年に、LPガスを燃料とするタクシー車両の生産を中止すると発表し、クラウンコンフォートからプリウスへの切り替えが始まります。
プリウスαは価格の割に高級感があり、富裕層を乗せても違和感がないということから人気が上がってきています。今後はクラウンコンフォートよりも、プリウスαを見る機会が増えるかもしれません。
ジャパンタクシー(トヨタ)
2017年10月、トヨタからタクシー専用車種「JPN TAXI(ジャパンタクシー)」の販売が開始されました。
ジャパンタクシーはミニバンのシエンタを土台に開発された車種です。
人気な理由は車高の高さです。
タクシー業界で主流のクラウンコンフォートの高さは150cmなのに対し、ジャパンタクシーは175cmで、さらに電動スライドドア採用しているので乗降車もスムーズです。
また、サイドミラーには、クラウンコンフォートと同じようにフェンダーミラーを装着しています。
視界も良好で、タクシードライバーからの評判も良いです。
まとめ
今回はタクシーの歴史について解説しました。
素晴らしい過去があるからこそ何不自由なくタクシーを利用できています。
タクシーの歴史をインプットすると友人にプチ自慢できますよ。
この記事を参考にタクシーへの興味を深めてくださいね。
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